10’00” Wooden Glider Fish  /  製作の巻

 

10’00” Wooden Glider Fish

刃入れ

2018年7月大安吉日

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ラフカットを行い、、、

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チャンバリング(中空にする技術)を行うため、
まずは仮の圧着作業を行います。

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その後、アウトラインを切り出します。

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アウトラインが出せたらラフシェイプを行い、

チャンバリングを行います。

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僕が愛用しているカンナやノミなどは、現在、ルロクラシックゲストハウスになっている場所に保管されていたものです。

もともと、そこは大工さんの作業場でした。

大きな機械や大工道具、珍しい古木や銘木、まだ使える廃材などが山のように乱雑に保管されていました。

今は亡き先代棟梁が実際に屋敷を建てていた道具が放置され、風化していく中で、ご縁をいただき、ゲストハウスの管理運営を通じ、ここに保管されていた道具や材を磨きなおし、サーフボード創りに使う道具や材とさせていただいています。

 

写真は、当時、整理作業中に子供たちが釘を打って遊んでいる風景です。

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現在のゲストハウス一階フロアです。

見比べると、懐かしく思います。

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その道具などを使用しながらチャンバリングを施し、

本圧着を施工し、ファインシェイプを行います。

 

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今回のお仕事でメッセージを込めたこと、それは「死に節」にあります。

通常、材を選ぶ際に、死に節は良くないとされるので、価値が下がり、使用されずに捨てられていくことが多いと聞きますが、僕には個性に見えました。

実際、銘木を専門とする匠から、「材としては上等に使える材やから保管してるんやけどなぁ、、、」というお話を聞きました。

この材をあえて使用し、ハワイで学んだ技法と、日本の伝統技術の共通点で、施工しました。

 

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ハワイの木工職人、Foundwood Working のJenさんに教わった技法で、

日本の左官技術でいう「研ぎ出し」です。

実際に、Jenさんから授かったアメリカ産のターコイズを使用し、研ぎだしました。

 

↓ Foundwood Working  ↓

https://www.foundwoodworking.com/

 

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その後、FRPを施し、磨き上げていきます。

 

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最終仕上げの前に実際に浜に出て、浸水させ、確認を行います。

僕はこの儀式を、「入魂式」と呼んでいます。

サーフボードとして産まれたからには海に出て、そこで魂が宿ると信じているからです。

 

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2019年9月 大安吉日

入魂式 挙行

 

宍喰の浜で行いました。

 

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無事に入魂式を行い、工房に戻り、最終磨き上げを施工し、仕上がりとなりました。

 

 

【 10’00”  Wooden Glider Fish 】

原木祭 : 2013年12月

刃入れ : 2018年7月

入魂式 : 2019年9月

材   : 桐    /    杉    /    ターコイズ

仕上げ : FRP

施主  : 梶原氏    /  左官工事一式(株)梶原組

 

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一本のサーフボードが産まれるストーリー。

そこには、木々が山で育ってきた時空、(フォームのサーフボードであれば石が油になる時空)、職人たちの夢とロマンが詰め込まれています。

我々サーファーは、そんな魔法の道具を手に取り、自然が織りなすエネルギー、流動する水の上を滑走することができます。

 

そんなことを考えると、心の声がこう言っています。

 

「あ~、サーフィンに出合えて、良かったぁ~!!」ってね。

(´▽`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10’00” Wooden Glider Fish / 出合いの巻

 

2013年12月13日

大阪出張の為、車を走らせていた僕は忘れ物をしたことに気付きました。
フェリーの予約の時間が決まっていたので、取りに戻ると間に合わなくなってしまうので、いつもなら現場で調達して済ますことだったが、この時はなぜか、フェリーの時間に遅れてでも、取りに戻らなければならない気がしたので、引き返すことにしました。

家で忘れ物を取り、準備万端を確認しましたが、なぜだか、工房の様子も見ておこうと思い、宍喰川沿いを上流に向け車を走らせていたところに、その土地のランドマークともいえる、立派な桐の木が切り倒される瞬間に出くわしたのでした。

あまりにもの突然の光景にびっくりしましたが、2本の桐の木の一本目が切り倒されていたところだったので、たまたま持っていたカメラで慌てて写真に収めました。

これがその時の写真です。

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慌てて現場に行き、作業員の方に「この木、どうするんですか?」と尋ねると、「いやぁ、邪魔やからとりあえず土場に持っていくんやけどなぁ、、、」という返事だったので、すぐに地区長さんのところに行き、この木の所有者を教えていただき、直談判を承諾していただき、作業員の方に玉切りの長さを伝え、工房に運んでもらう話が決まったのでした。

この間、わずか一時間弱。

奇跡としか言いようがないお導きでした。

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運び込まれた材を祝し、ささやかながら原木祭を行いました。

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原木祭

上の資料は2013年当時に作ったもので、材を5年かけてじっくり乾燥させながらサーフボードに生まれ変わる過程を通じ、ルーツを探す旅に出る、という内容です。

 

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こちらは、徳島新聞の記者さんがこの話を聞きつけ、取材してくれた時の記事です。

内容にあるように、この木は河川拡張工事に伴い、伐採されたという経緯があります。

 

2014.8.2宍喰水害日比原 写真は2014年8月2日、歴史的な豪雨が宍喰地区を襲った時の宍喰川日比原地区です。
この時すでに、桐が伐採された現場は氾濫していました。

 

推定樹齢80年、

台風の多いこの辺りでは大変珍しい大木で幹の辺りの直径は90センチほどありました。

長老曰く、桐の木を取り巻くように育っていたカズラが鎧の役割をしていたので暴風に耐え、折れずにここまで育ったという事でした。

 

製材や運搬に関して全くの無知だったので、山の師匠に教わりながら行いました。

製作に関しても、ウッドサーフボードの経験が全く無かったので、ハワイ在住の巨匠シェイパーの方々やウッドワーカーの方々、名グラッサーの方々のもとを訪ねて、技術を伝授していただきながら試行錯誤を繰り返しました。

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製材を行い、じっくり乾燥をさせながら2013年から2018年までに、2ほんの現代風のサーフボード、一本目は8’00”シングルフィンガン・ソリッドウッド、2本目は5’10”ツインフィッシュ・チャンバリング施工、そして、3本のオロアライアを製作しました。

(その様子は、以前のブログに載せているのでご覧ください。)

 

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そして2018年吉日

10’00” Wooden Glider Fish の製作に入るのでした。

 

製作の巻 に続く。。。

 

 

このサーフボードがインテックス大阪で行われるLIVING & DESIGN 2019

(株)梶原組のブースでお披露目されました。

LIVING & DESIGN 2019
会期 2019年10月30日(水)~11月1日(金)3日間
10:00-18:00(最終日は17:00まで)
会場 インテックス大阪
(大阪市住之江区南港北1-5-102)

http://www.living-and-design.com/?fbclid=IwAR2VbdkTxILgJbX5ikUwqfTuwECF9YuBiQT-kHzt_fF62JcbcHYK0ol7YWY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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