10’00” Wooden Glider Fish / 出合いの巻
2019-10-20 | 未分類
2013年12月13日
大阪出張の為、車を走らせていた僕は忘れ物をしたことに気付きました。
フェリーの予約の時間が決まっていたので、取りに戻ると間に合わなくなってしまうので、いつもなら現場で調達して済ますことだったが、この時はなぜか、フェリーの時間に遅れてでも、取りに戻らなければならない気がしたので、引き返すことにしました。
家で忘れ物を取り、準備万端を確認しましたが、なぜだか、工房の様子も見ておこうと思い、宍喰川沿いを上流に向け車を走らせていたところに、その土地のランドマークともいえる、立派な桐の木が切り倒される瞬間に出くわしたのでした。
あまりにもの突然の光景にびっくりしましたが、2本の桐の木の一本目が切り倒されていたところだったので、たまたま持っていたカメラで慌てて写真に収めました。
これがその時の写真です。
慌てて現場に行き、作業員の方に「この木、どうするんですか?」と尋ねると、「いやぁ、邪魔やからとりあえず土場に持っていくんやけどなぁ、、、」という返事だったので、すぐに地区長さんのところに行き、この木の所有者を教えていただき、直談判を承諾していただき、作業員の方に玉切りの長さを伝え、工房に運んでもらう話が決まったのでした。
この間、わずか一時間弱。
奇跡としか言いようがないお導きでした。
運び込まれた材を祝し、ささやかながら原木祭を行いました。
上の資料は2013年当時に作ったもので、材を5年かけてじっくり乾燥させながらサーフボードに生まれ変わる過程を通じ、ルーツを探す旅に出る、という内容です。
こちらは、徳島新聞の記者さんがこの話を聞きつけ、取材してくれた時の記事です。
内容にあるように、この木は河川拡張工事に伴い、伐採されたという経緯があります。
写真は2014年8月2日、歴史的な豪雨が宍喰地区を襲った時の宍喰川日比原地区です。
この時すでに、桐が伐採された現場は氾濫していました。
推定樹齢80年、
台風の多いこの辺りでは大変珍しい大木で幹の辺りの直径は90センチほどありました。
長老曰く、桐の木を取り巻くように育っていたカズラが鎧の役割をしていたので暴風に耐え、折れずにここまで育ったという事でした。
製材や運搬に関して全くの無知だったので、山の師匠に教わりながら行いました。
製作に関しても、ウッドサーフボードの経験が全く無かったので、ハワイ在住の巨匠シェイパーの方々やウッドワーカーの方々、名グラッサーの方々のもとを訪ねて、技術を伝授していただきながら試行錯誤を繰り返しました。
製材を行い、じっくり乾燥をさせながら2013年から2018年までに、2ほんの現代風のサーフボード、一本目は8’00”シングルフィンガン・ソリッドウッド、2本目は5’10”ツインフィッシュ・チャンバリング施工、そして、3本のオロアライアを製作しました。
(その様子は、以前のブログに載せているのでご覧ください。)
そして2018年吉日
10’00” Wooden Glider Fish の製作に入るのでした。
製作の巻 に続く。。。
このサーフボードがインテックス大阪で行われるLIVING & DESIGN 2019
(株)梶原組のブースでお披露目されました。
LIVING & DESIGN 2019 | |
会期 | 2019年10月30日(水)~11月1日(金)3日間 10:00-18:00(最終日は17:00まで) |
---|---|
会場 | インテックス大阪 (大阪市住之江区南港北1-5-102) |